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浄土真宗本願寺派


住職の池田行信です。
信楽峻麿著『親鸞の真宗か 蓮如の真宗か』が発刊     2015年 01月 03日
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 信楽峻麿先生のラストメッセージ、『親鸞の真宗か 蓮如の真宗か』(2014年12月15日、方丈堂出版)が発刊されました。
 同著には詳細な「著者年譜並びに主要著作・論文リスト」が掲載されていて、今後の信楽峻麿教学研究の必須資料となりましょう。
 著者年譜によると、信楽先生は1971(昭和46)年8月(45歳)、同志と共に『教団改革への発言』を出版し、同年11月より雑誌『教団改革』を刊行します。同誌は1985(昭和60)年3月まで27号にわたって発刊されます。
 信楽先生は、同『教団改革』誌をはじめ論文や雑誌、新聞などで、「親鸞に回帰せよ」「信心とは目覚め体験である」「仏道とは人格成長の歩みである」「本願寺教団と真宗学者の戦争責任を問う」と、本願寺教団当局や伝統されてきた宗学を批判しました。
 その間、1980(昭和55)年1月(53歳)の時、第191回定期宗会(1月24日開会、2月2日閉会)において、「近時教団改革を煽動するあまりに、従来の教学をことごとく批判して、敢えて教義そのものに手を出して異義異安心をとなえるのである」「教団改革にあって、従来の宗学を批判している」等の建白書が採択されるということもありました。しかし、その後、1989(平成元)年4月(63歳)の時、龍谷大学第13代学長に就任し、1995(平成7)年まで2期6年間努めました。
 さらに、1995(平成7)年3月(69歳)、龍谷大学を定年退職した後、同年4月より、浄土真宗本願寺派の監正局長に就任し、1997(平成9)年3月(71歳)まで努めました。
 また、1995(平成7)年12月(69歳)には、仏教伝道協会第6代理事長に就任し、2008(平成20)年(82歳)まで努め、同年7月、教円寺住職を退任しました。
 その一生は、まさに愛宗護法に依拠するがゆえの教団改革に一生を捧げた人生であったといえましょう。信楽先生は「教えと現実の課題が切り結ぶ地点に立ちなさい、仲間内で馴れ合っていては人間は成長しない、常に異質なものと対話しなさい」と語られていました。
 ご一読をお勧めいたします。
by jigan-ji | 2015-01-03 01:02 | つれづれ記
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